Archive for 9 月, 2008

「予防医学」とは、読んで字の如く、「病気にならないように未然に防ぐ」、予防の医学と言えます。
病気になりにくい身体を作るために、日頃から生活習慣などを正すことが、これにあたります。
「予防医学」などと聞くとなんだか難しいことのように思えるかもしれませんが、医療の専門家ではない私たちでも毎日の生活の中で行なえることです。

それでは、具体的には生活習慣の中でどんなことに気をつければよいのでしょうか。
健康的な毎日を過ごすために、まずは「睡眠」についてのお話をしていきましょう。

そもそも「睡眠」はなぜ必要なのかご存知ですか?
夜更かしして睡眠不足になることがいかに翌日の体調にマイナス方向に影響するのかは、体験的に知っている人も多いと思います。
徹夜明けではなんだか妙にテンションが高くなったり、かと思えば急に身体にだるさを覚えて動けなくなったり、とにかく身体が無理をしていることが自覚症状として現れます。

しかし「睡眠不足」は身体だけでなく、脳にも悪影響を与えているのです。
普段、人間は「睡眠」によってからだだけでなく、大脳にも休息を与えています。
寝ている間に大脳は、休息と翌日に向けてのメンテナンスを同時に行なうわけです。
睡眠時間が短いと、大脳がメンテナンスにあてる時間が確保できないため、様々な情報を処理する能力が衰え、積極的に物事を考えることができなくなってしまいます。
「睡眠不足」は、身体ばかりでなく、気持ちの面でも不健康になる原因となるのです。

日本人は、ほかのどこの国の人たちよりも平均睡眠時間が短いそうです。
その人の仕事や趣味、またその人がこれまで続けてきた習慣などにより、その人にとってちょうどよい睡眠時間は人それぞれだと思いますが、だいたい平均7~8時間の睡眠時間が身体のためにはよいでしょう。
「睡眠時間」が短くなればなるほど、死亡率が高くなっているという調査結果もあるそうです。

「予防医学」の考え方の中には、早期に病気の可能性を発見し事前に対処するという要素も含まれています。
それは、さまざまな検査や健康診断の実施というものが該当します。

赤ちゃんが生まれて初めて受ける血液検査はおそらく先天性代謝異常検査だと思います。
「先天性代謝異常症」とは、遺伝子の変異によって特定の酵素が欠損してしまい、関係する代謝の過程に問題が生じてしまう疾患です。
発生する頻度は数万人に一人とごく少ない症例なのですが、知的発育が遅れたり、身体的に異常が生じるなどの各種障害が発生することがあります。
先天性代謝異常症は治療が困難なものが多いのですが、中には早期発見、早期治療により知的障害などを防げる場合のものもあります。

血液検査は大抵、出産後の入院中に(5~7日目)に行なわれます。
赤ちゃんのかかと部分から採血し、検査機関にまわして検査結果を待つかたちとなります。
赤ちゃんの採血をする際に母親が立ち会うかどうかは、その病院の方針によります。もし赤ちゃんがびっくりして泣いてしまってもべらぼうにたくさんの血を採るわけではないので心配いりません。
この検査でホモシスチン尿症、フェニールケトン尿症、メイプルシロップ尿症、ガラクトース血症、クレチン症、副腎過形成症、の疾患について調べます。

「先天性代謝異常」については、このように生まれて間もない時期に検査、発見し、症状が現れる前に適切な治療を開始することが重要です。
このような、病気の可能性を事前に早期発見し重症化を防ぐための検査も「予防医学」のひとつです。
赤ちゃんが元気にすくすく育つことを願い、必ず受けていただきたい検査です。