「予防医学」の考え方の中には、早期に病気の可能性を発見し事前に対処するという要素も含まれています。
それは、さまざまな検査や健康診断の実施というものが該当します。

赤ちゃんが生まれて初めて受ける血液検査はおそらく先天性代謝異常検査だと思います。
「先天性代謝異常症」とは、遺伝子の変異によって特定の酵素が欠損してしまい、関係する代謝の過程に問題が生じてしまう疾患です。
発生する頻度は数万人に一人とごく少ない症例なのですが、知的発育が遅れたり、身体的に異常が生じるなどの各種障害が発生することがあります。
先天性代謝異常症は治療が困難なものが多いのですが、中には早期発見、早期治療により知的障害などを防げる場合のものもあります。

血液検査は大抵、出産後の入院中に(5~7日目)に行なわれます。
赤ちゃんのかかと部分から採血し、検査機関にまわして検査結果を待つかたちとなります。
赤ちゃんの採血をする際に母親が立ち会うかどうかは、その病院の方針によります。もし赤ちゃんがびっくりして泣いてしまってもべらぼうにたくさんの血を採るわけではないので心配いりません。
この検査でホモシスチン尿症、フェニールケトン尿症、メイプルシロップ尿症、ガラクトース血症、クレチン症、副腎過形成症、の疾患について調べます。

「先天性代謝異常」については、このように生まれて間もない時期に検査、発見し、症状が現れる前に適切な治療を開始することが重要です。
このような、病気の可能性を事前に早期発見し重症化を防ぐための検査も「予防医学」のひとつです。
赤ちゃんが元気にすくすく育つことを願い、必ず受けていただきたい検査です。